■ ワクチンとは
ワクチンとは、感染症を予防したり重症化を防ぐための注射です。
犬では複数の病気をまとめて予防する「混合ワクチン」が一般的です。
■ いつ必要か
子犬:複数回接種(初年度)
成犬:追加接種(1年ごと、または状況により調整)
生活環境やその子の状態に合わせて、ワクチンの内容や接種間隔をご提案しています。
■ 方法・種類
当院では現在、主に5種ワクチンと8種ワクチンを使用しています。
レプトスピラ症は、ワクチンに含まれる型によって予防できる範囲が異なるため、国内の発生状況や生活環境を踏まえて選択しています。
今後の流行状況に応じて、ワクチン内容を見直す可能性があります。
5種ワクチン
基本的な感染症を予防するワクチンです。
室内中心の生活の子に選ばれることが多いです。
また、含まれる感染症については抗体価を確認することで、追加接種のタイミングを検討することもあります。
8種ワクチン(+レプトスピラ)
5種に加えて「レプトスピラ症」を予防します。
レプトスピラ症は環境中で感染するリスクがあるため、必要と判断されるケースでは毎年の接種をお勧めします。
レプトスピラ症とは
レプトスピラ症は、水や土壌を介して感染する細菌感染症です。
ネズミなどの野生動物の尿に含まれる菌が、水たまりやぬかるみに残り、そこから感染することがあります。
これらの環境では比較的長く感染力が保たれるとされています。
また、人にも感染することがある感染症です。
どんな子に8種をすすめるか
当院では以下のような生活スタイルの場合にご提案しています
- 川遊びをする
- キャンプ・アウトドアに行く
- 山歩き・草むらに入る
- ドッグランなどで土壌接触が多い
一方で完全室内+散歩も舗装道路中心の場合は、必ずしも含める必要がないとも考えられます。
■ 注意点
ワクチン接種にあたっては安全面も大切です。
持病がある場合
免疫に関わる病気や、がん治療中などの場合には、ワクチン接種を控えることがあります。
その子の状態に応じて判断が必要なため、個別にご相談ください。
副反応について
まれに
- 元気がなくなる
- 顔の腫れ
- アナフィラキシー反応
が起こることがあります。
そのため当院では 接種後15分ほど院内で様子を見ていただいています。
過去にアレルギー反応があった場合
以前のワクチンで体調変化やアレルギー症状が見られた場合でも、抗体価が低く接種が必要になることがあります。
当院ではそのような場合に
- 数日前から抗アレルギー薬を内服
- 必要に応じて追加の予防的な処置を行う
など、安全性に配慮した方法で接種をご提案しています。
また、抗体価検査を行わず接種する場合でも、過去の反応がある場合には同様の対応をご提案しています。
※内服開始のタイミングや方法は症例によって調整しています。接種前にご来院ください。
抗体価検査という選択
ワクチンを追加接種する代わりに 抗体が十分あるかを検査する方法もあります。
抗体が確認できた場合はワクチン接種証明の代わりとして抗体価証明書の発行が可能です。
■ よくある質問(FAQ)
Q. 毎年8種のほうが安心ですか?
A. 一般的には感染症を広くカバーできますが、生活環境によっては接触の機会が少ない感染症も含まれます。
当院では生活スタイルに応じてご提案しています。
Q. レプトスピラは必ず入れたほうがいいですか?
A. アウトドアや水辺に行く機会がある場合はおすすめしていますが、生活環境によっては必須ではないこともあります。
Q. 副作用が心配です
A.多くは問題ありませんが、まれに体調の変化やアレルギー反応が出ることがあります。
当院では接種後15分ほど院内で様子を確認していますが、帰宅後も当日は安静に過ごし、
- 元気がない、嘔吐・下痢をする
- 瞼・顔の腫れ
- ぐったりしている
などの変化がないかご確認ください。気になる症状があればご相談ください。
■ まとめ
犬のワクチンは「何種が正しい」というよりも生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
当院では5種・8種の使い分けや抗体検査も含めてご提案しています。
迷われた場合は、その子の生活環境をもとに一緒に考えますのでお気軽にご相談ください。

